退避三舍
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1. 基本情報
- 拼音: tuì bì sān shè
- 日本語訳: 相手に一歩譲る、敬遠して距離を置く、衝突を避けて退く
- 成語の構成: 「退」(退く、後退する)
+ 「避」(避ける、回避する) + 「三」(三回(ここでは距離の単位の数)) + 「舍」(古代の行軍距離の単位(一舎=三十里)) - 意味: 相手との衝突を避けるために、自ら進んで譲歩したり、距離を置いたりすること。元々は約束を守って軍を引くという肯定的な意味でしたが、現代では「相手が強すぎて関わりたくない」「恐れをなして逃げる」という消極的、あるいはやや自嘲的なニュアンスで使われることもあります。
2. 詳細な意味とニュアンス
「退避三舍」は、以下のようなニュアンスを含みます。
- 「三舎」の距離感: 古代中国の軍事用語で、一舎は三十里(約15km前後)を指します。したがって三舎は九十里というかなりの距離を退くことを意味し、徹底した譲歩や回避を表します。
- 現代的なニュアンス: 本来は「恩義に報いるための譲歩」でしたが、現代では「厄介な相手に関わりたくない」「相手の勢いに圧倒されて引く」という文脈で使われることが多いです。
3. 使い方
「退避三舍」は、主に以下のような文脈で使用されます。
- トラブル回避: 気性の荒い人や面倒な事柄に対して、あえて争わずに関わりを避ける処世術として使われます。
- 例:「遇到这种不讲理的人,我通常是退避三舍,不跟他一般见识。」
(こういう理屈の通じない人に会ったら、私は普段距離を置いて関わらないようにし、まともに相手にしない。)
- 例:「遇到这种不讲理的人,我通常是退避三舍,不跟他一般见识。」
- 圧倒的な実力差: 相手の実力が自分より遥かに上であるため、競争を避けて道を譲る場合に使われます。
- 例:「面对卫冕冠军的强大攻势,其他选手不得不退避三舍。」
(前回王者の強力な攻勢を前に、他の選手たちは道を譲ら(一歩引か)ざるを得なかった。)
- 例:「面对卫冕冠军的强大攻势,其他选手不得不退避三舍。」
- 謙遜や敬意: 相手への敬意や、自分の立場をわきまえて遠慮する態度を示す、やや硬い表現です。
- 例:「论学识和经验,我对他都要退避三舍。」
(学識と経験において、私は彼に対して一歩譲らなければならない(彼には敵わない)。)
- 例:「论学识和经验,我对他都要退避三舍。」
その他の例文:
- 看到老板今天心情不好,大家都退避三舍,不敢大声说话。
(ボスが今日機嫌が悪いのを見て、みんな敬遠して近寄らず、大声で話す勇気もなかった。) - 对于这种高风险的投资项目,大多数投资者都选择了退避三舍。
(このようなハイリスクな投資案件に対して、大多数の投資家は手を出さない(回避する)ことを選んだ。) - 他那咄咄逼人的气势让人不得不退避三舍。
(彼のあの威圧的な態度は、人を尻込み(退散)させずにはいられない。) - 虽然我很想帮忙,但这件事太复杂,我只能退避三舍了。
(手伝いたいのは山々だが、この件は複雑すぎて、私は手を引く(関わらない)しかない。)
4. 文化背景と注意点
- 由来: 『左伝』僖公二十三年より。春秋時代、晋の公子・重耳(後の晋の文公)が亡命中に楚の成王から厚遇を受けました。その際、「もし将来、晋と楚が戦うことになったら、恩に報いて三舎(90里)退却しましょう」と約束しました。後に城濮(じょうぼく)の戦いでその約束を守り、結果として晋軍は楚軍を誘い込んで大勝しました。
- 戦略的撤退: 元々の故事では「約束を守る信義」と「敵を油断させる計略」の両面がありましたが、現代語では単に「避ける」「譲る」という意味で使われることがほとんどです。
- 使用域: 日常会話からニュースまで幅広く使われますが、単に「逃げる」というよりは「あえて距離を置く」というニュアンスが含まれます。
5. 類似成語と反義成語
- 類似成語:
- 敬而远之 (jìng ér yuǎn zhī): 尊敬はするが、関わり合いにならないように距離を置くこと。現代では単に「厄介払いで避ける」意味でも使われる。link
- 望而生畏 (wàng ér shēng wèi): 見ただけで恐れをなすこと。
- 望而却步 (wàng ér què bù): 困難や危険を見て尻込みすること。link
- 反義成語:
- 针锋相对 (zhēn fēng xiāng duì): 針の先と針の先を合わせるように、真っ向から対立すること。link
- 迎难而上 (yíng nán ér shàng): 困難に直面しても、ひるまずに立ち向かうこと。
6. まとめ
「退避三舍」は、相手との衝突を避けるために自ら譲歩したり、距離を置いたりすることを指す成語です。晋の文公の故事に由来し、本来は「約束を守る」意味でしたが、現代では「苦手な相手を避ける」「圧倒されて引く」という文脈でよく使われます。トラブル回避の処世術として肯定的に使われることもあれば、消極的な態度として使われることもあります。
